【セミナーアンケートで寄せられたご質問・ご意見・コメントへの回答】
セミナー後のアンケートで多くの ご質問をいただきありがとうございました。以下、 回答をご紹介いたします。 ご参考ください。
Q1. 相談員・ヒアリング担当・処分 検討委員の兼務について
「人員不足もあり、相談員が ヒアリング担当を兼ねて、処分検討委員会の委員も兼ねている状況です。 このような状況での実務上の注意点などを解説いただけると有難いです。」
A. 組織の規模によっては、相談員・ ヒアリング担当・処分検討委員を兼務することはやむを得ない場合もあります。ただし、同じ人が相談を受け、事実確認や処分判断にも関わることで、中立性や公平性が疑われるリスクがあります。
そのため、それぞれの役割を意識して分け、相談者の訴えと確認できた事実を区別して記録することが重要です。具体的には、相談段階で得た相談者の心情や個人的な評価を、そのまま事実認定や処分判断の材料として 扱うのではなく、「相談者の主観的な認識・感想」と「客観的に確認された事実」を明確に区別して記録・共有することが望まれます。
また、処分等はできるだけ複数人で検討し、一人の判断だけで結論を出さない仕組みを整える必要があります。 人員面で役割分担が難しい場合は、 顧問社労士や顧問弁護士等の外部 専門家に相談し、客観的な視点を取り入れることも有効です。
Q2. 50名規模の役割分化と認定後 の対応
「従業員が50名で、ヒアリングを行う者とハラスメントの認定をする者を切り分けることは難しい状況です。 どのように対応する仕組みを構築するのがよいか、考えたいと思いました。また、ハラスメント認定後に、 行為者が当社の対応に不満をもつ ケースもあり、そうした場合の対応を考えなければと思いました。」
A. コメント、大変ありがとうございます。前のご質問と同様、組織の規模によっては、ヒアリングと認定の担当者を完全に分けることが難しい場合もあります。そのため、一人の担当者だけで認定・処分を決めない、判断の根拠を記録するなど、「仕組み」で補うことが重要です。
また、認定・処分後に本人から 不満が出ることも想定し、認定・ 処分の理由を丁寧に説明するとともに、 本人の受け止めを確認することも 大切です。
さらに、認定・処分後も必要に応じて 声をかけるなど、継続的にフォローする体制を整えておくとよいでしょう。 その際は、直属の上司や本人が信頼して話せる人など、適切な人をフォロー担当者として選ぶことが重要です。また、フォローを担当者一人に任せず、組織として担当者を支えることも必要です。50名規模 という限られた人員の中でも、 無理なく継続できる範囲で、認定・ 処分後までフォローできる仕組みを整えておくことが大切です。
Q3. 司法面接との違い
「人間関係の構築が必要である点で 相違があると思いますが、事実確認を行うという点では同じではないかと考えています。」
A. ご認識のとおり、司法面接と社内ヒアリングは、どちらも「事実を確認するために話を聴く」という点では共通しています。ただし、行う目的や対象者との関係、その後の対応が異なります。
社内ヒアリングでは、今後も同じ職場で働くことを前提としているため、 対象者が「この人になら安心して話せる」と感じられる環境をつくることが大切です。そのためにも、 ヒアリングを行う側・受ける側の 双方が、基本的な進め方や心構えを理解しておくことが重要です。
さらに、社内ヒアリングで確認した 内容は、職場での対応や本人への支援、再発防止などにつなげていく必要があります。そのため、司法面接と「事実を確認する」という部分は共通していますが、社内ヒアリングでは、事実確認だけで終わらず、その後の職場での対応まで見据えて話を聴くことが重要だと考えます。
Q4. 聴き取りの際に、加害行為の資料を示して事実確認をすべきかどうか
「聴き取りの際に、加害行為の資料 (メール、録音反訳等)を示して 事実確認をすべきかどうか迷っています。」
A. メールや録音反訳などの資料は、 事実を確認するために必要であれば、 本人に示して確認してもらうことが考えられます。ただし、資料を見せて 「これは認めますよね」と結論を迫るのではなく、本人の記憶や認識を確認 するために使うことが大切です。
具体的な聞き方の例としては、「このメールについて、送った事実に間違いはありませんか」「このとき、 どのような意図でこの発言をしたのか教えてください」「この記録について、 何か事実と違うところや補足したいことはありますか」といった形です。
基本的には、まず本人の話を聞いてから必要に応じて資料を示し、資料について 本人の認識や説明を確認した上で、 本人の反論や補足も記録するという流れで進めていただくと、スムーズかと 思います。資料は本人を追及するためではなく、「記憶と記録を照らし合わせて、事実を確認するためのもの」と考えることがポイントです。
Q5. ハラスメント認定がなされた 方への研修内容について
「ハラスメント認定がなされた方への 研修内容のアイデアなども知りたいです。」
A. セミナーでもお伝えしたとおり、 認定を受けた方の受け止め方や課題はそれぞれ異なります。そのため、最初から決まった内容を教えるのではなく、まず1回目にご本人の話を伺い、何が課題なのかを整理した上で、研修内容を組み立てることをおすすめします。
特に、知識を一方的に伝えるだけでは なく、「自分の言動を振り返る」 「相手の受け止めを考える」「今後 どう行動するかを考える」といった対話・振り返りを中心とした進め方がよいと思います。また、1回で終わら せるのではなく、数週間後にフォロー面談を行い、実際の行動に変化があったかを確認する方法も考えられます。
Q6. 相談窓口への問い合わせがない状況について
「現状、昨年度および今年度は相談窓口へのお問い合わせはありませんが、 この状況で問題ないのか気になっています。 今年実施した全体アンケートでは意見や書き込みも見受けられました。 実際に相談があった場合に備えて、どのような対策を講じておくのがよいでしょうか。例えば、ロールプレイングを実施するなど、事前に対応訓練を行っておくことも有効ではないかと考えています。」
A. ご懸念されているように、場合によっては「相談したくても相談できていない」という可能性もありますので、 「相談窓口の利用がゼロだから問題はない」と判断しないことが大切です。 アンケートで意見や書き込みがあったのであれば、まずはその内容を確認・精査いただき、職場の状況を把握することがよいと思います。
また、実際に相談があった場合に 備えて、相談員同士でロールプレイング を行い、相談を受ける練習をしておくことは有効です。例えば、相談を受け たときの最初の声かけ、相談内容の聞き取り方、相談者への説明、相談後の情報共有や報告などを実際に練習 しておくと、いざ相談があった際にも落ち着いて対応しやすくなります。
こうした準備を行い、安心して相談 できる体制を整えていることを周知することが、相談しやすい環境づくり にもつながります。そのため、相談 件数を増やすことを意識されるのでは なく、「相談があったときに適切に対応できる体制を整えておく」ことを重視するとよいのではないでしょうか。
Q7. セミナーの内容についての ご意見
「具体的な事例を挙げる中で、対処に困った点やそれを解消した方法等について知りたかったです。」 「ロールプレイのような具体的実践例についてお示しいただけたらより理解 が深められたと思います。」
A. 貴重なご意見をありがとうございます。 今回は無料セミナーということで時間の都合上、具体的な事例まで十分に扱うことができませんでした。今後の内容づくりの参考にさせていただきます。
なお、有料の研修では、ご希望に応じて具体的な事例検討やロールプレイを取り入れた実践的な内容もご提供しております。
Q8. 相談員向けの研修やテキスト について
「御社でハラスメント防止委員や 相談員向けの研修またはテキストなどは扱っておられますでしょうか。 ある場合は、それらの価格はどの ぐらいでしょうか。参考までお聞きできればと存じます。本日はありがとうございました。」
A. こちらこそ、ご参加いただき誠にありがとうございました。 テキストのみの販売は行っておりませんが、 相談員やハラスメント防止委員等を対象とした研修は実施しております。
研修内容や時間によって費用が異なりますので、今後ご検討される際はお気軽にお問い合わせください。