バーンアウト(燃え尽き症候群)とは

Q.バーンアウトとはどのような状態をいうのでしょうか?

ワーク・エンゲイジメントの対概念であるバーンアウト(燃え尽き症候群)とはどのようなものでしょうか。

バーンアウトとは、疲れ果てた気持ちや、「もう働けない」などといった情緒的消耗感

によって起こる精神疲労状態のことをいいます。

バーンアウトの対局にあるのが

「仕事に誇りややりがいを感じている」(熱心)

「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)

「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)

の3つが揃った状態であるワーク・エンゲイジメントです。

 

一方、バーンアウトした人は、疲弊し、仕事への熱意が低下します。

まさにワーク・エンゲイジメントとは対極の

「仕事に対する欲求不満」

「熱心さや努力の減退」

「仕事に意欲がなくなる」

などの状況を生み出すのです。

 

 

バーンアウトは、看護師や教員、コンサルタントなどといった

対人援助職や知識労働者で、熱心に仕事をする人や、

長時間労働をいとわず一生懸命仕事に取り組む人がなりやすいと言われています。

 

特に対人援助職の場合には感情労働の要素が高いため、ストレスが高く、

バーンアウトしやすい職場環境にあると言われます。

 

感情労働とは、自分の感情を制御し、相手の感情に合わせて

対応することで対価を得る労働のことです。

 

「人に尽くしたい」「人に喜ばれたい」といった自己犠牲をいとわない頑張る気持ち、

心優しい気持ちにより、際限なく相手のために頑張るものの、

対人援助職の場合は自分の努力が具体的な形になって見えにくいために、

精神的に疲弊しやすくなってしまうのです。

 

なお、営業職も対人的な要素のある仕事ですが、努力に対する成果が数字で具体的に見えやすい職種のため、

対人援助職に比べると、バーンアウトは生じにくいと言われています。

 

また、

一人で仕事を抱え込みがちな人

人に協力を求めることが苦手な人

仕事をやり残すことに対して不安感や罪悪感がある人

「ちゃんとしたい」という気持ちが強い人も、

一定期間、過度の緊張とストレスの下に置かれるとバーンアウトを生じやすいと言われています。

 

このように気持ちが燃え尽きてしまうと、どういう状態になってしまうのでしょうか。

 

まず生じるのが、個人的達成感の後退です。

精根尽きた感覚になると、仕事に対する意欲がなくなるのはもちろん、

熱心さや努力も減退します。

「この仕事をして何の意味があるの?」などと自分の仕事に意味を感じなくなったり、

他人と働くことに極度の負担を感じるようになるかもしれません。

 

また、気持ちが燃え尽きると相手に対する関心や気遣いがなくなります。

思いやりがなくなり、同僚に冷淡・否定的な態度をとるようになるかもしれません。

これを「脱人格化」といいます。

 

さらに、

・失敗を同僚や上司、取引先、業務システムのせいにする

・変化に対して抵抗を示す

・柔軟性が低下する

・想像力が低下する

・怒りっぽくなる

・急に黙り込む

などの異常行動がみられるようになる場合もあります。

 

もちろん、バーンアウトが生じる要因は個人の問題だけではありません。

仕事量が多い、身体的負担が大きい、役割が曖昧、対人的な葛藤があるなどの仕事の要求度が高い職場、

仕事の裁量権が狭すぎる、上司や同僚からの支援があまりない、仕事の意義が感じられないなど

仕事の資源の要素が低い職場環境も、バーンアウトを増加させる要因です。

 

バーンアウトからの回復には、時間がかかります。

 

一人ひとりの考え方を柔軟にすることはもちろん大切ですが、

一人ひとりの考え方が形成される土壌となっているのは、職場の環境でもあります。

 

仕事量が多いとしても、情報の共有やコミュニケーションの改善、マネジメントの工夫によって

仕事の要求度を下げ、仕事の資源の要素を上げることもできます。

このようにバーンアウトが生じない職場をつくることは、

ワーク・エンゲイジメントを向上させることにもつながるのです。

 

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